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「男性×育児のリアル」仕事と育児の両立が、人生に与えるポジティブな影響とは?

‘17.Mar.31 Fri

文:徳 瑠里香

一人ひとりが多様な個性を活かし、より力を発揮することを目指す、リクルートのダイバーシティ推進プロジェクト「Be a DIVER!」。「多様性の海」に潜ることをコンセプトに、これまで介護と仕事の両立、LGBT、働き方など多様なテーマについて、社内外のゲストによる講義と対話の場を形成することで、解決するヒントを探ってきました。

今回のテーマは「男性の育児と仕事の両立」。県を挙げて男性の育児と仕事の両立をサポートする広島県から県知事の湯﨑英彦さん、男性育児休暇取得を必須化したリクルートコミュニケーションズ(以下、RCO)代表取締役社長の清水淳さん、パートナーが育休を取得したリクルートホールディングス(以下、RHD)の伊東由理さんをインストラクターにお招きしました。

参加した従業員はダイバーとなって、「男性の仕事と育児のよりよい関係に必要なこと」のヒントを探しに、多様性の海へと潜りました。さて、多様性の海の中でどんな気づきと出会ったのでしょうか。

※本レポートの内容はイベント開催時の2016年10月12日に基づきます。

進む少子化。女性の社会参加と男性の家庭参加の両輪を回すために

−− はじめに「トップが考える男性の育児と仕事の関係」をテーマにお話いただきます。湯﨑知事と清水さんは、トップとして施策に取り組まれ、ご自身も育休を取得されていますが、その背景には何があったのでしょうか?

湯﨑英彦(以下、湯﨑) まず社会的な課題が背景にあります。日本が直面している少子高齢化。少子化は特に問題で、労働人口が大幅に減少するとさまざまなシステムが維持できなくなります。

女性が働いている社会の方が、子どもが産まれやすいという事実があり、少子化に歯止めをかけるには、女性の社会参加と男性の家庭参加の両輪を回していかなければなりません。

県知事として、そのための施策を考えている最中に3人目の子どもが出来まして、同時に2人目の子どもが幼稚園に通い始めたので送り迎えは僕がやるしかない。社会的な課題と個人的なニーズがマッチして、計11日間の育休を取得しました。

「男性が育休を取る」ことを常識に変える

清水淳(以下、清水) 僕は第二子が生まれた2003年に1ヶ月間の休みを取りました。僕は秋田県、妻は福島県の出身で、第一子は里帰り出産をしたのですが、第二子は神奈川県で産みました。お互いの両親も離れているため、妻に「休める?」と聞かれて、当時はあまり深く考えずに休みを取った記憶があります。

先日娘が二十歳になったのですが、当時のことをまだ覚えていて、小学校から帰ってきたときに父親がいた安心感があったようで、育休を取ってよかったなとしみじみ思いました。

自身の経験もありますが、男性の育休必須化に込めた思いはやはり女性の活躍推進です。そのためには男性の家庭参加が不可欠ですが、日本の育休取得率は2%で取らないことが常識。取ることを常識にするためには、もう必須化するしかないと。給料をお支払いした上で男性に育休を取ってもらい、常識を変えていこうと、2016年4月に制度化しました。

知事としての育休取得が、社会で議論するきっかけを生む

−− ご自身が育休を取得されて、周りの反応はいかがでしたか?

湯﨑 いまだに「育メン知事」と言われるのでインパクトはあったと思います。取得直後は県に直接メールや電話で反対意見が届きました。その反応からメディアが「反対7割、賛成2割」と報じましたが、後にアンケート調査をしたところ「反対1割5分、賛成6割」という結果が出ました。育休を取得したことで、議論が生まれ、意識するきっかけになったのはよかったと思っています。

結果として、広島県の男性の育休取得率はそれまで1.2%ほどだったのですが、僕が取得してから5%ほどになりました。一時は7%を超えたこともあります。まだまだ低いのでこれから推進していきたいと思っています。

−− 広島県では、中小企業に対して助成をしていると伺いました。

湯﨑 中小企業で男性が育休を取得した場合、最高30万円を支給するという「いきいきパパの育休奨励金」という助成制度があります。男性の育休取得を契機に余分な仕事を整理でき、大事な仕事は分担するためチームワークが高まり、取得した本人のロイヤリティも増す。実際に導入した企業の社長さんからも喜びの声が届いています。

必須化で男性の育休取得率は50%以上!女性が活躍するために

−− 清水さんはどうでしたか? RCOの制度についても教えてください。

清水 男性の育児休暇取得を必須化したことに対して、従業員からネガティブな声は聞こえてきていません。4月に制度が始まり、9月時点でお子さんが生まれた男性社員のうち約70%が育休を取得しています。制度導入前にお子さんが生まれた方にも権利があり、約45%が育休を取得しています。

これは女性が活躍するための制度の一つなので、合わせて「早期復職手当制度」を導入しています。出産から半年以内に復帰をされた方に、お子さんが1歳になるまで毎月手当を支給しています。また、仕事を休めないときにお子さんが熱を出してしまいベビーシッターを呼ぶ場合に「病児保育利用手当」を、1日2万円を上限に支給しています。

女性のキャリアのブランクなど、ネガティブに働いているものをどう取り除くかが課題なので、この3つの制度を同時に走らせています。

トップ層から個人の意識まで。働き方変革を!

−− 最後にそれぞれ、今後の展望についてお聞かせください。

湯﨑 呉の海上自衛隊の総監や県商工会議所連合会(13会議所)の会頭が「イクボス宣言」をしてくれました。企業の社長さんにメンバーになってもらい取り組みについて議論・共有をする「イクボス同盟ひろしま」も動いています。今後もトップから意識を変えていきたいと思っていますが、最後は皆さん、個人の選択になります。取りにくい雰囲気だとか、忙しいから取れないとか、ネガティブな意識がある方々は一度考え直していただき、取得するためにできることを考えていただけたらと思います。

清水 男性が育休を取れないという常識を変える第一歩は踏み出せましたが、少子化・労働人口減少問題を解決するための課題はまだまだあります。東京は育児コストが高すぎるので、地方でも働けるような環境を整えていくことも今後は重要になってくると考えています。究極を言うと、"東京に仕事がない"状態、"東京じゃなくてもできる仕事"を作っていきたいと思っています。

両者が働く人であり育児をする人。働き方と暮らしを変えた育休

−− 続いて、パートナーが育休を取られた伊東由理さんにお話伺います。

伊東由理(以下、伊東) 2016年1月に出産して、私自身は6月末まで育休を取りました。夫が5月半ばから半月は有給休暇を使い、その後3ヶ月育休を取りました。1.5ヶ月間は2人で、2ヶ月間は夫が育児を担当しました。生後4ヶ月から夫の育休が始まりましたが、寝返りをうったり笑ったりし始める成長の過程が見えるタイミングだったのはよかったと思います。

育休期間中は夫が家事全般と育児をほぼ全てやってくれたので物理的にも精神的にも助かりました。この3ヶ月半のおかげで、人生を共に歩んでいくパートナーとしての強い絆が一層できたように思います。

−− うまくいった要因はどんなところにあると思いますか?

伊東 一つはお互いの違いを知ることから始めたことです。そもそも男女は脳梁の太さが違って感情に対する感度が違う。女性は子どもを生むと攻撃性が増す、など色々な違いがあると言われています。そうした情報を収集して、出産によって起こるコンフリクトについてお互いが理解し、対策を打ちました。完全に仕事と一緒ですね。

今回2人が育児を経験したことで、両者が働く人であり育児をする人だという意識が強くなりました。育休をきっかけに、2人の暮らし方が変わったことは大きな財産だと思っています。

以上のインスピレーショントークで気づきを得た従業員はダイバーとなって、"多様性の海"へと潜っていきます。「育児と仕事の両立に大切なこと」をテーマにさまざまな立場、視点から意見を交換し合いました。そして、「自分の働き方を見直す」「育児に対する知識と教養を得る」などそれぞれのTIPSを見つけ、陸に上がりました。

「Be a DIVER!」は、一人ひとりの個性、ライフステージ、考え方が相互に刺激し合い多様性が輝く、ワクワクする場づくりを推進していきます。

ダイバーシティはみんなのもの。世界はまだ見ぬ可能性にあふれています。

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