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スウェーデン、フランス......女性の就業率が80%を超える理由: 世界の人々の「両立」のアイデアvol.01

2017.01.19

©iStockphoto.com/monique28

「私にとって、理想の母親は仕事をしている母親だったの」

日本で暮らすフランス人女性に、「子育て」について取材をしていた時のこと。 キラキラとした瞳でそう話す彼女の言葉に、こう思わずにはいられなかった。

なぜ、そんなにも潔く言い切ることができるのだろう――。

彼女は幼い子供を持つ2児の母。こんな言葉も口にしていた。 「フランス流の子育てとは、働いているお母さんの話でもあるのよ」

近年、日本でもフランス流の子育てに関する本が多く翻訳・出版されている。 他の国々とはどこか異なる考えが根底にあり、そこに人々の興味が向かうのかもしれない。

その独自性はデータからも読み取れる。独立行政法人 労働政策研究・研修機構が行った「年齢階級別女性労働力率」(2014年)を見ると、 スウェーデン及びフランスにおいて、25歳〜50歳の女性の就業率は80%を超える。

さらに細かくデータを見ると、描かれる曲線は国ごとに大きく異なることに気づく。 たとえば日本は、第一子の平均出産年齢を迎える25歳から35歳にかけて就業率が下がり、40歳を超える頃から再び上がるM字カーブ型。

一方で、たとえばスウェーデンは、上記の年齢でも就業率が上がり続ける逆U字型といえる。 フランスも、スウェーデンには及ばないものの、25歳から40歳にかけて就業率が下がることはない。 お隣ドイツと比べてみても、30歳から40歳の間で、就業率に開きが出来ていることが見てとれる。逆U字型を描く国の背景には、何があるのか。

調査会社「イプソス」が2014年に発行した「イプソス Global Trend 2014」のなかに、 スウェーデンとフランスにはある共通点があることを発見した。 「『女性の社会的役割は良き母、良き妻であることだ』という意見に同意しますか」という問いに対し、 「そう思う」と回答した割合が最も低かったのは、スウェーデンで9%。次いでスペインが11%、フランスが15%という結果が出ている。

男性の役割と女性の役割に差がない、という認識があるか否か。この認識こそ、就業率の高さと紐づけて考えることができそうだ。

実際、日本で暮らすあるフランス人男性はこう話す。 「仕事における自分と、家族の一員としての自分。フランス人は、その二つのバランスを取ろうとする。 それは男性においても、女性においても同じこと」

もちろん一概に「仕事」と言っても、皆がみなフルタイムで働いているわけではない。

たとえば、小学校が午後休みになる水曜日は仕事をせず、週4日で働くという女性も、フランスでは少なくない。 「週35時間労働制」が取り入れられており、水曜日に休む分、前後で数時間ずつ多く仕事をしている女性もいれば、 給与を80%に減らすことで雇用主と合意している女性もいる。いずれの場合でも、同僚たちから眉をしかめられることもないという。

先のフランス人男性も「雇用形態やいくら給料を貰っているかというよりは、『働くこと』自体に強い意識を持っているように見える」と話す。

さらにいつ仕事に復帰するかのタイミングも、やはり国によって異なる。何人目の子供かにもよるが、 育児休暇をすべて取得せずに、「産後3ヵ月から5ヵ月で復帰する」という国も少なくない。 これはヨーロッパに限った話ではなく、近年、成長著しいシンガポールなどにおいても言えること。 シッターや保育園をうまく利用しながらも、"仕事の世界"との距離が広がりすぎないように努めているようだ。

ところ変われば、働き方も違う。背景にある考えだって、違う。 なかには、隣の芝生は青く見えるだけという面もあるかもしれない。

だが、視野を広げ、他の国の人々の思考やアイデアを知ることは、生きていくうえで大きな支えになったりもする。 女性の就業率が高い国の人々は、いったいどんな工夫をしているのか。これから10回の連載で紐解いていきたい。


文:古谷ゆう子


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