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国家公務員のケース -子育てと公務の両立は可能なのか?内閣人事局が進める女性活躍推進のいま

2017.03.24

国家公務員はその業務の重責と働く環境から、子育てと仕事を両立しながら長く働き続けるには厳しい環境という印象があります。こうした中「国家公務員も子育てしながら働きやすい環境を作ろう」と音頭を取るのが、内閣官房内閣人事局。

内閣官房とは、内閣総理大臣が掲げる重要課題を直接的に補佐・支援し、内閣の重要政策の企画立案・総合調整などを担っている機関。そのなかでも内閣人事局は、国家公務員に関する諸制度を担っている組織です。安倍内閣が最重要課題として掲げる「女性が輝く社会」をつくることに対して、国家公務員の女性活躍やワークライフバランスの推進など様々な取組を行っています。同局で働く参事官補佐の山村氏に、子育てしながら働く現状について話を聞きました。

制度をフル活用し、事例をつくる。

山村氏は文部科学省で5年間働いた後、産育休を経て、現在2人の子供を育てながら内閣人事局に出向し働いています。現在は、「テレワーク」と「フレックスタイム制度」を活用し、16時半から17時頃に仕事を切り上げ、その後、子供のお迎えに行き、ご飯、お風呂、寝かしつけを21時までにして、日によっては、21時から家でパソコンを広げてテレワークで1時間の仕事を再開。22時に終えて翌朝9時頃に出社する、といった柔軟なタイムスケジュールで働いています。

こうした環境を実現できるようになったのは、内閣人事局が平成26年4月から「フレックスタイム制度」の対象を全職員に拡充したおかげ、と話します。これに、従前からある、「テレワーク」や、現在は3人目を妊娠中なので、1日1時間以内で取得できる妊婦の通勤時間の緩和制度を利用しているそうです。しかし整備された制度もまだまだ活用されるケースが少ないものもあり、一人ひとりの制度に対する認知や活用できる環境づくりなど、意識改革を促していく必要があると話します。

「みなさん、普段は業務に忙殺されていることもあり、どのような制度があり、その使い方や組み合わせの仕方を知る機会がないと思うんですよね。私も初めてのことだったので、復職した際には、職場の方や諸先輩方、上長など多くの方に相談し、諸々検討いただきながら活用してきました。『こういう組み合わせで制度を活用できるか』と言わなければ気づかなかった組み合わせもあると思います。今後も自分が各種の制度を活用して、時には組み合わせのパターンをどんどん提示していくことで『そういうやり方もあるんだ』と多くの方に気づいて同じように活用してもらえれば、と思っています。」(山村氏)

業務量のコントロールは難しい。でも仕事の進め方と周囲の理解は変えられる。

現在、国家公務員の新規採用者に占める女性の割合は3割に達しています。今後ますます働く女性が増えることに伴って、育児と仕事を両立できるよう職場環境を改善する取り組みは必然と増えてくるだろうと話します。

「業務量という点で、霞が関全体を見たら忙しいのは事実です。そこを抜本的に変えていくのは正直まだ時間かかるでしょう。ですが、仕事の進め方や周りの理解というのは業務量とは関係のない世界です。今は『難しいよね』で議論が終っていても、『変えないといけない、変えないとどうしようもない』という状況に今後必ずなってくると思います。民間企業も最近画期的な取組を行っているところが増えてきていますが、学生の皆さんもこれからは『働き方』がしっかりしていない会社は選ばなくなっていくと思うんですよね。」(山村氏)

PCに掲げるクリップのパターンの数々

内閣人事局では仕事の進め方という点で、業務の効率化を図るべく、メール等を最大限活用し紙での文化を見直すことや、チーム全体で作業時間や抱えている業務の「見える化」を行っているといいます。これまでは上長に相談する際にも紙に印刷する、といった習慣だったものが、メールで済ませられるだけで大幅な時間短縮になる、との事。

またパソコンの上にクリップで「集中タイム」や退庁時間を記載したタグを掲げたり、1日のスケジュールを共有したりと、互いの状況が分かるようにする事で、急な依頼による残業の発生などを極力無くし、お互いに、事前に1日の業務量や仕事の進め方を想定しやすくしているそうです。

加えて周囲の理解という点では、局内の幹部から声掛けし、業務の効率化や両立支援制度等の活用に対して歓迎の姿勢を見せる事により、一般の職員が制度活用に引け目を感じないように職場の風土を変えているといいます。

「部下からはなかなか言いづらいと思っても、上長の方々がひと言伝えるだけで気が楽になることって沢山あると思うんですね。だからといって下の人も上司の言葉を待っていれば良いという訳でもなく、部下の方からも変に気後れすることなく、『こういう働き方がしたい』『こういうキャリアパスを描いていきたい』と思ったことは一回口に出してみる、やってみる。嫌だダメだと言われれば、話し合いをしっかりする、といった心構えが必要だと思います。」(山村氏)

子育てを通じて改めて仕事に活かせること

世の中の風潮として育休の取得はキャリアに空白が生じてしまうイメージがまだあるが、育休が現在の国家公務員として働く上で与えたプラスの影響は計り知れない、と山村氏は話します。

例えば、ベビーカーを押していると、ガタガタな道や駅に設置されたエレベーターの位置の不便さに気付き、車椅子を使う方の気持ちに思いを馳せたり、「来年保育園に入れなかったら仕事を辞めないといけない」という悩みを抱えた友人が、自身が思っていた以上に多くいたりと、これまで頭では分かっていたものの実感として持つことがなかった課題を数多く感じたといいます。

「自分の子どもとかけがえのない時間を過ごせるというのは想像以上に貴重な日々でしたし、今後も国家公務員として働く上でもとてもプラスの時間でした。私たちの仕事は、日本の皆さんのより良い日常生活を守ることであり、生活する上での不安などを取り除く事だと思うんですね。そんな一人ひとりに思いを馳せないといけない仕事をするなか、霞が関という場所からしか目を外に向けられていなかったことに気づかされ、すごく反省しました。日常生活という当たり前のものがどう営まれているか、どういうことに皆が暮らしにくさを感じているか、ということに目を向ける本当にいい時間でした。」(山村氏)

育休から明けて、内閣人事局という国家公務員に関する諸制度を担っている組織にいることを活かし、働き方の選択肢を広げていきたい、と話します。

「これは女性だけじゃなくて、男女ともにですが、自分が思い描く働き方とか、キャリアパスを実現できるような組織、ひいては世の中にしたいなと思っています。自分も内閣人事局にいる以上は、国家公務員の職員一人ひとりが「自分できめる」「自分ならではのキャリアパス」を歩めるよう、これからも内閣人事局のミッションの実現に向けて取組んでいきたいと思います。」(山村氏)


参考情報

内閣人事局

内閣府本府における女性職員の活躍とワークライフバランス推進に向けた取組計画


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