(1)CS(顧客満足)品質
情報を商品とするリクルートとして、「当たり前品質」を定め、信頼性向上に取り組んでいます。
リクルートの事業活動のカギは、カスタマーに提供する情報の品質が握っています。「では、情報の品質とはなんだろうか?」そこに関して、実はこれまで私たちの認識は曖昧でした。率直なところ、個々の従業員による解釈に依存していたと言えます。しかし、情報の品質という定量化しにくいものであっても、私たちにとっては唯一最大の商品です。難しくとも怠けるわけにはいきません。そこで2007年、私たちは改めて情報の品質を3ステージに分解し、それらを『信頼性KPI』として経営指標に組み入れました。KPIとは、Key Performance Indicatorsの略で、顧客満足度など定量化しにくい領域を可視化するための手法です。日本語では「重要業績評価指標」と 訳されますが、早い話、目標の達成度を測るモノサシのことです。私たちが『信頼性KPI』の中で分類した品質は下記の3つのステージです。
◎第1品質: 正確性・安心感・誠実性など
◎第2品質: わかりやすさ・使いやすさなど
◎第3品質: 感動・意外性など
そのうち、第1・第2品質までを「不十分であれば不満を感じるが、充足されても当たり前と感じる価値項目」として、それを『当たり前品質』と呼ぶことにし、事業部ごとに対象となる事例とテーマを設定しました。そして、事例を解決率や発生件数といった数値に置き換え、各事業部の戦略課題として運営します。『当たり前品質』とは、言い換えれば、情報を主商品とするリクルートにとって、最低限かつ絶対に守らなければならないカスタマーへの約束にほかならないのです。そして、だからこそ一人のカスタマーから寄せられたクレームは、そのカスタマーと電話を受けた者の問題などではなく、リクルート全体として受け止めていくべきなのだと私たちは考えています。

「苦情を受け付ける」仕事ではなく、
ご指摘いただいた問題を解決に向かわせることが、私たちの仕事です。
『信頼性KPI』の設定・運営活動と同時に、私たちはカスタマーからの声をお聞きする『読者ホットライン』の充実を図っています。2006年4月からカスタマー対応を専門とする『CS(顧客満足)推進室』をオープンして、知を集約。現在ではスタッフ約80名が「苦情受付係」ではなく、年間問い合わせ数57.1万件(2010年度)にのぼるカスタマーの声を今後のリクルートへのご要望と捉えてエスカレーション(情報収集・伝達)する「問題解決係」へと成長しつつあります。大切なのはカスタマーと対話する個々人が「何をするか」を理解しているだけではなく、「なぜするのか」を理解していることです。
情報は人を動かし、幸せにも不幸せにもする力を持ちます。そして情報への不信感は、結果的にクライアントのマーケットそのものへの不信感につながる大きなヒビになりかねません。そうした「声」の先にあるリスクを自分の問題として、全従業員がイメージできるか。逆に「ありがとう」の声を現場に映像や文字でフィードバックして、私たちが、なんのために働いているのかを心から感じてもらうこと。それが私たちの最大の品質管理なのかもしれません。私たちの品質管理は、まずカスタマーの生の声を、全員で共有するところから始めています。
全従業員にカスタマーの肉声を。「CoCoラボカスタマーの声」
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リクルートの商品やサービスは、カスタマーの「不便」や「不平等」をなくそうという発想から生まれています。ところが日常業務の中で、無意識のまま企業の論理に片寄ってしまうことがあります。カスタマーの視点に敏感になること。それはそもそもの商品やサービスの意義と力を失わず、「なんのためにこの仕事をしているのか?」という自分たちの仕事の意味や価値を再確認することにもなります。そこで私たちは2008年、社内イントラネットの『CoCoらぼ』上に『CoCoらぼ カスタマーの声』をオープン。各領域に寄せられたカスタマーからの生の声を公開して、「カスタマーから自分たちの商品やサービスが、どう見られているかを客観的に知る」「カスタマーからの『ありがとう』の声を読み、社会への貢献感や仕事の意義・意味を考え、仕事の誇りを感じてもらう」という試みをはじめました。反響は大きく、ページビューは常に『CoCoらぼ』上のトップ3に。「私の仕事が世の中の役に立っていることを自覚して、仕事に誇りが持てた」というたくさんの声とともに、読んだ従業員から改善提案が頻繁に生まれはじめたのです。今後は『CoCoらぼ カスタマーの声』の共有をビジネスパートナーまで広げ、意識の高まりをもっと大きくしていきたいと思っています。 |
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