インボイス、量り売り…自動対応で進化する『Airレジ』開発の思い

インボイス、量り売り…自動対応で進化する『Airレジ』開発の思い

コロナ禍も含めここ数年で、飲食店・小売店をはじめとしたサービス業を取り巻く環境は大きく変化しました。キャッシュレス決済の需要の広がりやインボイス制度開始など、レジ業務ひとつをとっても、お店側に求められる対応の幅が広がっています。

そんな変化に応えられたらと、リクルートが提供する無料のPOSレジアプリ『Airレジ』も進化を続けています。日々変化するクライアントのニーズに対し、どう向き合っているのか、プロダクトの推進担当である、リクルート従業員の青木遼平と出澤美紀に話を聞きました。

インボイス制度も自動で対応できるように

― 初期費用から月額費用まで無料で使え、飲食店や小売店を中心に利用されているPOSレジアプリ『Airレジ』ですが、2023年を振り返るだけでも、インボイス制度対応や小売店向けの機能強化など、新機能のリリースやアップデートは常に行われていますね。なかでも、お店を取り巻く環境変化として大きかったのは、インボイス制度開始かと思われますが…。

青木:インボイス制度は2023年10月1日から開始された制度になりますが、思った以上にお問い合わせが多く寄せられました。「インボイスって何?」という声や「具体的にお店で何を対応すればいいのかよく分からない」という声が多く、不安を抱えている方がたくさんいらっしゃいました。不安払しょくのために何ができるかを考え、『Airレジ』のサービスサイト上に「インボイス制度に関するよくあるご質問」というFAQページをすぐに設置。並行して、制度開始に即座に対応できるよう、プロダクトの機能改修にも着手していきました。

― FAQだけでもすぐ見られると安心できますよね。具体的に、インボイス制度の導入で飲食店などが求められるようになった対応とは、どのようなものなのでしょうか?

出澤:お客様に発行するレシートや領収書に「登録番号(※1)」の記載が新たに必要になりました。手書きの記載でも問題はないのですが、毎日何枚も対応するのは作業負担が大きい。しかしながら登録番号の記載は法令に沿うためには必ず実施しなくてはならないことなので、『Airレジ』では、設定画面で自店舗の「登録番号」を一度設定しておけば、レシートや領収書のほか、返品証明書や訂正レシートにも自動的に「登録番号」が印字される機能を追加しました。

(※1)インボイス制度における「適格請求書発行事業者」の登録を受けた場合に、事業者に通知される番号

『Airレジ』上の領収書・レシートへの印字イメージ
『Airレジ』での印字イメージ。インボイス制度における適格請求書の様式に対応した領収書が発行できる

― 登録を1回だけすれば自動で対応してくれるというのは心強いですね。

出澤:そうですね。法対応なので、お店の負荷は最小限で正しく対応ができる状態が望ましいと思っています。インボイス制度への対応は、誰にとっても初めて通る道ですよね。制度施行直前のアンケートでも「知らない」または「対応予定はない」というお客様が半数以上という結果でした。このままだと、知らないうちに制度開始を迎え、お客様から「登録番号が記載された領収書をください」とお願いされて初めて気づくお店の方も多いのではないかと私たちは考えました。

日々の店舗営業だけでも大変なところに、制度を理解して正しく対応する方法を考える、その負担は大きいはずです。そこで、『Airレジ』を利用していれば、法改正で求められることに自動でお店が対応できている状態となることを目指しました。

『Airレジ』の推進を担当するリクルート従業員の出澤美紀
『Airレジ』の推進を担当するリクルート従業員の出澤美紀

日々の会計業務も確定申告もラクに 『Airレジ』が叶える時間創出

― 『Airレジ』を利用していれば自動的に対応できるような仕組みづくりをされたのですね。インボイス制度開始に伴って確定申告の負担が増えるのではとの懸念を聞くこともあります。店舗運営においては、インボイス制度開始に限らず、日々の会計業務も負担が大きいはずですよね。

青木:そうですね。日本の飲食店や小売店の多くが小規模の個人商店です。『Airレジ』を利用してくださっているお客様の大半もそれに当たります。個人商店の場合は経理専任者がいるケースは少なく、経営者自ら他業務と並行して会計業務や確定申告の準備を行っていることがほとんどで、その負担は大きいと思います。

― 『Airレジ』の利用は会計業務の負担軽減にもつながるのでしょうか?

青木:そうでありたいと思っています。世の中には、会計業務や確定申告に利用されている便利なクラウド会計ソフトが数多くありますが、『Airレジ』ではリクルートが提供するサービスだけでなく、それらの他社のクラウド会計ソフトとも連携し、売上データを自動連携することができるようしています。

そのため、『Airレジ』で計上した売上などを改めて会計ソフトへ入力する必要がありません。売上が自動的に会計ソフトへ入力されるため、日々の会計業務負担が減ります。手間がかかる会計業務の作業時間を削減し、その分、お店の核となる接客やサービスについての検討時間を確保していただければ。『Airレジ』がその一助になればと日々機能改善に勤しんでいます。

『Airレジ』と連携するサービス一覧
『Airレジ』と連携するサービス一覧

新機能のアイデアの源泉はお客様からの声

― 2023年は、インボイス制度への対応以外にも数々の新機能をリリースしていますね。「在庫管理」画面上で棚卸しができる機能が追加されているほか、グラムやリットル、メートルなどの販売単位で注文入力・会計ができる「量り売り」機能など、小売販売を想定した機能もリリースされています。新機能をリリースするにあたってのアイデアの源はどこにあるのでしょうか?

出澤:お客様のお困りごとに寄り添った開発をするために、いただく声や要望をもとに作り上げることが多いです。Airレジは、もともと飲食店でご利用いただくことが多かったので特化した機能も多かったのですが、だんだん小売店のお客様に認知いただくことも増えてきました。

ただ、なかなか契約にいたらず、小売店特有の必要機能が不足していることを理由としてあげていただくことが多かったのです。例えば、「量り売り機能」や「在庫管理」機能などです。直近はそのような機能を追加実装することでご利用いただくお客様の業態も拡張してきていますし、これからも拡張したいと考えています。

青木:私たちは、集まった要望が月数件だとしても、声をあげていらっしゃらない多くのお店が存在しているはず、と考えています。また、「この機能がないと『Airレジ』を使うことができない」場合と「この機能があれば便利」な場合という温度感の濃淡があるはずなので、お客様が本当に望んでいることは何か? ということを丁寧に聞きながら、優先度をつけつつ、多くの要望を叶えていけるようにしています。

ヒアリングの際は、担当ディレクターが実際にお店に伺うことも多いです。在庫管理機能の検討をしていた際は、複数の小売店にご協力いただき、棚卸し作業を見学・体験させていただきました。現場での体験で想定していなかった課題に気づいて機能開発のアイデアが浮かぶこともありますし、何よりも「お時間をいただいた分、しっかり良い機能にしなければ…」とより気合いも入りますね。

『Airレジ』量り売り機能のイメージ
2023年7月にリリースされた『Airレジ』量り売り機能のイメージ

― お客様の声をとても大事にされているのですね。開発段階においては、どのような点を重視しているのですか?

出澤:求められていることにより早く正確に応えることは当然のことですが、更にそれをいかにシンプルで使いやすくできるかを意識しながら開発要件を考えています。

青木:リクルートが提供する業務・経営支援サービス「Air ビジネスツールズ」には“シンプル・カンタン・スマート”というブランドバリューがあります。このブランドバリューから逸れずに、誰でも迷わずカンタンに使えることにはこだわっています。どんなに要望を叶えた便利機能を作ったとしても、使えなかったら意味がないですから。「仮に、ITが苦手なおじいちゃんやおばあちゃんでも使いやすいシステムってどんなものだろう?」と考えながら開発するようにしています。

より良い未来のために最善の道を探す。プロダクト推進のふたりが目指す『Airレジ』のこれから

― 青木さん・出澤さんはプロダクト推進ということで、セールスチームと開発チームの間に立つ“旗振り役”としての難しさもありそうですが、いかがでしょうか?

青木:僕は、中間に立つ役割を気にしすぎて無難にチームの意見の間をとるのではなく、まずは自分のなかで考えきって意思を持つことを意識しています。今存在している『Airレジ』のサービスを一定の品質を保ちつつもより良いものに改善しながらお客様に届けていくこと。そして、『Airレジ』というサービスが将来どこに向かうのか、長期的な事業計画を検討していくこと。大きく“現在”と“未来”のふたつの軸を持ってプロダクトを進めています。

『Airレジ』の推進を担当するリクルート従業員の青木遼平
『Airレジ』の推進を担当するリクルート従業員の青木遼平

出澤:私は、まだ検討が粗い状態から多方面のメンバーと会話しながら最善策を考えるようにしています。各メンバーは、それぞれの領域のプロなので、私にない視点や意思決定ポイントを必ず持っています。それを知った上で偏りなく、どうあるべきかを考える方が早いし、自分にとってもメンバーにとっても納得感が生まれやすいと考えています。

新しいことを始めるには、これまでの慣習が崩れることや、成功する確証が持てない不安から、反対の声が挙がることもあります。でも、そういうときも納得感があれば、一緒に乗り換え方を検討できる。これは私が過去の経験から学んできたことです。

― 最後にそれぞれが思う『Airレジ』の強みや今後の展望を聞かせてください。

出澤:『Airレジ』は周辺機器の購入など初期費用は掛かりますが、月額利用もサポートも0円でご利用いただけるサービス。売上管理はもちろん、売れ筋商品まで一目で分かるようになり、会計業務の負担も減らせます。Airレジを使うことで、思い描いたお店作りにより時間がかけられるようになるお客様が1社でも増えるように、また、インボイス制度のように、知らないことで取り残されるお客様が減るように、より使いやすい機能拡充をしていきます。業種問わずお店の業務に当たり前に組み込まれるようになれればいいなと思っています。

青木:『Airレジ』と連携することで便利になる「Air ビジネスツールズ」には、『Airペイ』『Airレジ オーダー』をはじめ数多くのサービスがあります。これらのサービスを同じIDで垣根なくシームレスに利用できることが「Air ビジネスツールズ」の強み。全てシンプル・カンタンな使用感に力を注いでいて、お店の方からも「初日から迷わずに操作ができた」という嬉しい声をたくさんいただいています。これからもその使用感にこだわり抜き、常にお客様の声に耳を傾けながら、求められるサービスでいられるよう進化し続けられたらと思います。

『Airレジ』の推進を担当する青木遼平と出澤美紀

プロフィール/敬称略

※プロフィールは取材当時のものです

青木遼平(あおき・りょうへい)
株式会社リクルート SaaS領域プロダクトマネジメント室 Airプロダクトマネジメントユニット Airプロダクトマネジメント部 Airプロダクトマネジメント1グループ

保険会社を経て、2018年に入社。以来「Air ビジネスツールズ」に携わり、現在は、『Airレジ』のプロダクトマネジメント担当者としてプロダクト戦略策定などを手掛ける

出澤美紀(いでざわ・みき)
株式会社リクルート SaaS領域プロダクトマネジメント室 Airプロダクトマネジメントユニット Airプロダクトマネジメント部 Airプロダクトマネジメント1グループ

2014年に入社。新卒エージェント事業での企画開発担当後、2019年新卒メディアにて新サービスの立ち上げなどに携わる。その後、2022年より現部署

関連リンク

最新記事

この記事をシェアする

シェアする

この記事のURLとタイトルをコピーする

コピーする

(c) Recruit Co., Ltd.