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SPECIAL INTERVIEW

【中編】対談:白木夏子×筧裕介が語る、新たな価値を生み出すために必要なこと

イノベーション , グローバル , サステナビリティ , ビジネススキル , リーダーシップ , 事業立案 , 働き方 , 地域活性 , 多様性 , 子育て , 新規事業 , 起業
SPECIAL INTERVIEW

文:鈴木貴視 写真:依田純子(写真は左から白木氏、筧氏、花形)

ビジネスや慈善活動を通じて企業や個々人がやるべきこととは? HASUNAの白木氏とissue+designの筧氏に迫る。

環境保全や社会貢献するジュエリーブランドを展開するHASUNAの白木夏子さんと、日本の未来を担うソーシャルデザインを手がける筧裕介さんを招き、リクルートホールディングスでソーシャルエンタープライズ、CSR、ダイバーシティの推進を担当する花形照美がファシリテーターを務める特別対談。中編となる今回は、ビジネスと社会貢献の両立について両者の意見を聞く。

花形照美(以下・花形) 社会問題を解決していく活動は素晴らしいことですが、高い志のものをビジネスの領域でスケールしていくのは決して簡単なことではありません。そのあたりについては、どのような考えをお持ちでしょうか?

白木夏子(以下・白木) HASUNA を設立して今年で7年目ですが、現在は4店舗あり、仕入れや生産において世界10カ国で取り引きをしています。

花形 HASUNAは、日本初のエシカルジュエリー(※ジュエリーのデザイン、製造、販売などを通じて環境保全や社会貢献)としても知られています。そういったブランド力も、背中を後押ししてくれる要素のひとつだと思いますが。

白木 エシカルという要素は欠かせないものですが、お客様はそのことが目的で商品を買いにくるわけではありません。その言葉に頼ってしまうとブランドは成長しないので、エシカルな取引や製造を心がけつつも、純粋にジュエリーが好きな方のためのデザインやサービスを追求し、スケールアウトしてゆくことが大事だと考えています。それができて初めて社会貢献のことに向き合うことができるのかなと。

社会貢献が先か、ビジネスが先か。
優先順位を見極める必要がある

花形 おふたりとも「世界を変えたい・救いたい」と思うような強烈な原体験(※【前編】参照)がきっかけとなり、現在の活動やビジネスを始められましたよね。だからこそ、自分たちそれをやり続けるために、サステイナブル(持続可能)な仕組みも考える必要性があると思うのですが。

筧裕介(以下・筧) 白木さんが手掛けているブランドは、まさにサステイナブルな面も考慮した上で事業モデルを作られてこられたので、成長を続けられていると思います。しかし僕の場合、実はその部分がほとんど無い状態。今は年間20個近くのプロジェクトに携わっていますが、まずは自分自身が率先して関わっていくところから始まる。そこから、サポートしてくれる周囲の人たちが頑張ってくれている状況なので、身体が足りないという(笑)。

花形 筧さん自身が商品でもありますからね。

 依頼者の方から個別に相談をいただき、それに対してなにをどう提示できるかという仕事。自分が望んでいる形なので良いのですが、どう考えてもサステイナブルではありません。そのことを解決するためにも、次の世代や同様のスキルを持つ人材を育てていかなければならない。そういう意味でも、事業モデルを作ることは難しいなと思っていますね。

白木 私も最初の2〜3年は、本当に美しいジュエリー・ブランドを追求したいのか、社会貢献を追求したいのか、その優先順位について迷った部分がありました。でも、まずは良いジュエリーをたくさんの人に選んでもらうことが途上国からの仕入れや発注を増やすことに繋がると実践を通じて確信しました。なので、ビジネスの拡大が幸せになれる人の数を増やす、と考えています。その順番を逆にしてしまうと、株式会社よりはNPOやNGOという形のほうが存在として正しいという結論に至ってしまうと感じています。ビジネスと社会貢献、それぞれの役割を間違えないことが大切なのかなと。

条件や環境は同じでも、
問題や解決方法は異なるという事実を知る

花形 実際に、今まで手掛けてきた商品やデザインやプロジェクトにおいて、社会貢献へ繋がったものやことはどんなことがありますか?

白木 ジュエリーの素材は、ペルー、コロンビア、パキスタン、ルワンダなどの鉱山や工房へ年に2〜3回行き、現地のNGOや工房から仕入れたりしています。例えば、パキスタンの少数民族の方たちが採取した宝石の原石を、同じ地域の貧困層の女性たちに研磨してもらったり。そこでは単に仕入れるだけじゃなく、日本でどのように売られているのかという実情も伝えています。そのことで、ただお金を稼ぐためじゃなく、自分たちが何のために働いているのか誇りを持てるようになったと言ってもらえるようになりました。

 約5年前から、自治体と一緒に今までとは違う母子手帳「新・母子手帳」を作っています。もともとは、親子の絆を深めることをテーマに行った大学生とのワークショップで出た意見がきっかけでした。開発の段階で現役の子育て世代や医療関係者にリサーチを行ったのですが、妊娠、出産、育児など求められた情報は既存のものに記載されていたんです。しかし、実際は文字も小さくほとんど読まれていない、つまり情報はあるのに伝わっていなかったという。

花形 ビジネスが正しく美しくあるためにも、様々な視点から問題や可能性を探り、新しい価値を生み出す必要性がありますよね。

 今はインターネットで調べれば、ほとんどのことが分かる時代です。しかし、人によって情報の取り方が異なりますよね。母子手帳に関しても、ネットを上手く利用する母親と既存の手帳を使う母親との間に、情報格差が生まれているんです。母子手帳の情報をもっと分かりやすく変えていくなど、デザインが果たす役割はまだまだあるなと思いました。

対談:白木夏子×筧裕介が語る、新たな価値を生み出すために必要なこと

  1. 前編
  2. 中編
  3. 後編

プロフィール/敬称略・名称順

白木夏子

株式会社HASUNA 代表取締役

1981年鹿児島県生まれ、愛知県育ち。南山短期大学を卒業後、イギリス・ロンドン大学キングスカレッジへ留学。卒業後、国連インターンを経験、2006年に帰国し、投資ファンド事業会社勤務を経て、2009年4月にHASUNAを設立。現在代表取締役兼チーフデザイナー。著書に『女(じぶん)を磨く 言葉の魔法』『自分のために生きる勇気』『世界と、いっしょに輝く』がある。日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2011キャリアクリエイト部門受賞。

筧裕介

issue+design 代表

1975年生まれ。一橋大学社会学部卒業。東京大学大学院工学系研究科修了(工学博士)。2008年ソーシャルデザインプロジェクトissue+design 設立。代表プロジェクトに震災支援の「できますゼッケン」、現代育児の課題解決のための「親子健康手帳」、人との出会いを楽しむ「Community Travel Guide」他。著書に『ソーシャルデザイン実践ガイド』など。グッドデザイン・フロンティアデザイン賞(2010)、日本計画行政学会・学会奨励賞(2011)、竹尾デザイン賞(2011)、Biennale Internationale DesignSaint-Etienne (2013, 仏)、Shenzhen DesignAward (2014,中国) 他受賞。

花形照美

株式会社リクルートホールディングス ソーシャルエンタープライズ推進室 室長

新卒で株式会社リクルートに入社。求人広告営業を経験後、現住宅情報事業部門に異動。マーケティング、営業企画、人事等を多くの職種を経験。2009年に全社事業開発室に異動。新事業・新組織立ち上げも含めた統括業務を経験。2011年よりコーポレート人事・CSRを担当。2013年4月より現部署にてリクルートグループのCSRとダイバーシティの推進を担当。

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